45cmオフセットパラボラ用へリックス
BS用オフセットパラボラを使ってAO−40のSバンド・ダウンリンク信号を聴くためのアンテナを製作してみた。
1 オフセットパラボラ
今回使用した45cm級オフセットパラボラは実測したところ以下の諸元であった。
型名 FUJITSU BSA-45DIY3
大きい方の直径 D1=540 mm
小さい方の直径 D2=460 mm
深さ h = 50 mm
これらの数値よりMWACANTというアンテナソフトで計算したのが次の図である。なお、MWACANTは以下のURLでダウンロードできる。
http://www.on.rim.or.jp/~ja0gwb/down.htm
2 ヘリカルフィード
計算結果よりオフセットディッシュの放射角度は85度であるので放射器の10dB放射角度をこの角度にあわせる必要がある。へリックスの巻数、ゲイン、10dB放射角度の間には次のような関係があるので巻数は4.25回となる。
巻数 ゲインG (dBi) 10dB BW
3.75 11.0 88
4.25 11.2 85
4.75 11.4
81
また巻き方向を左巻きにすることによりパラボラで反射した電波は右旋回円偏波となり衛星上の偏波と一致する。反射板は1mm厚のアルミ板、これにタッパのふたとSMA-Rコネクタを取付ける。エレメントは2mm径のメッキ線を用いた。2401MHzの場合、直径40mm、ピッチ32mmであり、これで螺旋形に4.5回巻いた。そのうちの0.25回はマッチングセクション部分である。揺れ止めのため基部途中をプラスチック棒で支持した。直径やピッチはアバウトでよさそうである。
次にSWRの調整をした。簡易スペアナ・トラジェネGigaSTを用いて反射係数の周波数特性を監視しながら使用周波数でVSWRが小さくなるように調整した。接着剤付きの銅箔テープを適当な大きさに切り出し、貼り付けるエレメント基部の位置を変えながら調整した。その結果、図のような反射係数−周波数特性が得られた。S2受信周波数2401MHz付近で22dBの反射係数となった。ちなみに反射係数22dBはVSWR1.17である。なお、本放射器は受信専用であるのでVSWRはそれほど気にする必要はない。
放射器は、焦点付近で反射板を前後に移動して信号が最も強くなるところで固定した。なお、S2周波数コンバーターとしてはドレークコンバーターModel-2880を改造して使用した。これを接続ケーブルができるだけ短くなるようにオフセットディッシュ・コンバーター支持棒に取付けた。写真のように受信用へリックスが上になるように仰角ローテーターブームに取付けた。これらの受信アンテナ系でAO−40でのSSB・SSTVの両モードによる交信ができた。
UPDATE:
2002/08/18, 2003/02/15
以上の受信システムを使って行ったSSTV交信のログを次に示す。