120cmパラボラアンテナの面精度改善


■バージョンアップキット

マキ電機のフレームキットはその後、パラボラの面精度向上をねらってリブの本数が12本から16本に増やされている。そこで、マキ電機に問い合わせたところ、写真のようなバージョンアップキットが発売されているとのことで、早速入手して改造作業を行った。
■改造作業

まず、リブの本数を12本から16本に増やした。金網は従前と同じメッシュ#15(網目間隔1.5mm)、線径0.15mmのステンレスネットを使い、次の写真のように4枚に分けて張り合わせた。リブの局面に網を置き、たるまないようにして順次止めた。他は前作と同様である。

結果、見た目は面精度がかなり改善されたように見て取れた。そこで、これに従前の給電部と改造ドレーク・コンバーターを取り付けてAO−40のアポジー付近のMBをFT−736で受信したところSで1くらい改善されたように感じた(2003/07/15,17)。ただこれは衛星の状態にもよるので主観的な観察である。JA局がドイツ、イタリアの局とSSBで交信しているのがRS55程度でクリアに聞こえていた。
■サンノイズ測定

測定日(2003/09/27)は天気もよく太陽が輝いていたので午前11時頃に1200MHz帯でサンノイズを測定してみた。なお、プリアンプには7L1WQG製作調整の低NF値LNAを使用した。

受信設備
受信アンプ:FHX35LG(HEMT)1段増幅、キャビティタイプ
      Gain = 15dB, NF = 0.27dB (7L1WQG製作調整)
アンテナ: 120cm Parabola Dish, Helical Feed
受 信 機:FT-736MX, AGC off, Freq.=1280MHz
低周波出力測定:アナログテスター(SANWA F-80TR-D)

測定結果
サンノイズ: 2dB余

サンノイズが測定できたのは初めての経験であったので、テスターの針がスーと振れたときは感動(おおげさ?)した。手動で太陽を追尾するのに分解能の低いローターでは骨が折れる。ただし、2dB程度の振れでは本当にサンノイズであったか一抹の不安は残るが・・・・


つぎに、太陽表面の爆発でサンノイズが強くなっている10月31日(平成15年)、再度サンノイズを測ってみた。さすがに信号は強く、すぐに太陽は見つかったがビームを止めるのに苦労した。今回は1200MHz帯およびAO−40・Sモード帯の両周波数で受信測定した。

結果は以下のとおりである。

測定時間:2003年10月31日11:45(JST)

2401MH: Sun noise 4〜5dB
Antenna : 1.2m Dish + 2.75 tern Helix
Converter : Drake 2880 modified Gain 31dB, NF 1.4dB
Receiver : FT-736MX(AGC off)

1280MHz: Sun noise 2〜3dB
Antenna : 1.2m Dish + 2.75 turn Helix
LNA : FHX35LG(HEMT)1段増幅、キャビティタイプ
       Gain = 15dB, NF = 0.27dB
Receiver : FT-736MX(AGC off)
■AO−40グッズ 周波数早見盤

アマチュア衛星AO−40のUp-LINK/Down-LINK 周波数早見盤を作ってみた。周波数変換の暗算をしなくてよくなり、便利である。

基板は100円ショップのまな板を利用、アップリンク周波数円盤は普通紙に印刷して板に貼り付け、回転ダウンリンク周波数盤は透明OHPシートに印刷して押しピンで止めた。回転盤外周の一部に回しやすいようにタブをつけた。写真左はU-uplink用、右はL-uplink用である。

なお早見盤はG6LVBのHP http://www.g6lvb.com/oldtech.htm にある。
UPDATE:
 2003/12/15